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夫婦と移住と、町家暮らし

松谷欽巳・理恵子さん

福井県・大阪府生まれ
福井県福井市から2016年春に郡上八幡に移住

郡上八幡への移住を検討されている方々から、どのような準備をしたらいいのか?仕事は?近所付き合いは?暮らしてみてのギャップはあるのか?などの質問をよく頂きます。
今回は、郡上八幡に魅了され、数年に渡り準備を進めて来たご夫婦に、移住のきっかけや心構え、実際に暮らしてみての感想を伺いました。

 

「郡上八幡へ移住を考えたきっかけはなんですか?

奥様

当時は福井に住んでいまして、岐阜には来たことがありませんでした。機会あって郡上の相生村の木の彫刻村の合宿に参加して、1か月滞在しました。その合宿のカリキュラムに郡上踊りがありまして、いいなぁ、と思いましたね。それに合宿地が山の中で何もなかったので、買いものは郡上八幡でした。山の中の生活文化がまったくないようなところから、郡上八幡に来ると、趣のある伝統文化があるところだ、と雰囲気を肌で感じました。その翌年にひとりで郡上踊りに来て、その良さを伝えたくて、次の年は主人と母親を連れて郡上踊りに参加しました。ふたりとも気に入ってくれて、それがきっかけで郡上八幡に住むことを考え始めましたね。

実際に移住を考えた時に、主人の望んだ仕事に決まったのが大きかったですね。主人はイタリアン・フレンチのシェフなので、それに沿った仕事を探していました。大阪、東京、金沢など都市部で考えていましたが、一番住みたい場所はどこか、と思った時に郡上八幡が浮かんで、イタリアン・フレンチの求人はないかなぁ、とふるさと郡上会に相談をしてみたんです。そうしたらタイミングが良くて、観光列車「ながら」の運航開始もあって、主人の経験を活かせるシェフの募集があるのを知りました。そこで11月に仕事の面接を受けて、4月には引っ越ししていました。

「奥様は踊りが好きと聞きましたが、お仕事も踊りに関わるところですよね?」

奥様

移住した当初から、踊りに関わる仕事がしたいと考えてましたので、今は博覧館で働いています。郡上八幡のことをあまり知らないので、観光に携わる博覧館で働くことで、歴史や文化を、そして郡上八幡のいいところをたくさん知って、伝えていきたいと思っています。踊りはやっぱり好きで、今年は郡上踊り32夜すべて行きましたね。皆勤賞と7つの踊りのお免状を頂きました! 

「郡上暮らしの良さはどんなところに感じますか?」

奥様

私は大阪で育ちましたので、その頃は繁華街のお店に行ったり、ご飯を食べたりが息抜きでしたね。でも、もういいかな、と。日々の生活をより豊かに暮らす生活がしたい!と思っています。例えば、ストレスのたまる仕事をして、年に1回海外旅行に行ってリフレッシュするより、毎日をいかに幸せに暮らすかを重視したかった。町を歩いていて、知り合いに会って挨拶し、山や川を見ながら生活する。心が豊かになります。

主人は以前、結婚式場があるところで働いていたので、たくさんの数のお料理を作るため、その準備も手間もすごかったようです。それがこちらに来てからは、数を少なく、じっくりできるので、お仕事はしやすく、気持ちよく働けているようです。

ご主人

私は朝、お城を見ながら、乙姫川沿いを歩いて角を曲がって、いがわの小径の川を見ながら出勤します。観光客や旅行者がお金と時間をかけて遠くから見に来る景色を毎日見ることができるのは、とても贅沢なことだと思います。そのうち慣れてしまうのかもしれないですが、この感動は忘れないでおきたいです。

「友人はできましたか?」

奥様

飲み屋で友達ができました!来て3か月で、だいぶ友人が増えましたね。周りからは3か月でなじみすぎ、とよく言われます。

「町家の住み心地はいかがですか?」

ご主人・奥様

福井の家と造りが似ているので、すぐに慣れまして、住み心地はいいです。大阪の母親が遊びに来ましたが、やはり住みやすい家だね、と言っていました。水回りも綺麗で、2階は日が当たって、朝ちゃんと起きれます!笑

家の中で好きなところは庭が見えるところですね。昼寝をしてると通りから庭に風がよく通って気持ちいいです。

「ご近所付き合いはどうですか?」

奥様

楽しいです。ご近所の方が、アユを釣った、と持ってきてくれたら、焼いてまた持っていきます。一人暮らしの人も多いので、おかずも多めに作って持っていったり、トマトや野菜を頂いたら、こちらもカレーを作って持って行ったり。玄関で「お皿ください!」って声をかけて。

町の行事は、引っ越した当初は春のお祭りがあったので、片づけを手伝ったりしましたね。他にも、近所に参道市が月に1回あるので、参加してます。近々近所に若夫婦が引っ越してくるので、春の祭りも楽しくなりそうです。

「休日はどんなふうに過ごしていますか?」

奥様

主人と休みを合わせて郡上八幡の観光をしたり、関市や美濃市など近くの市に行ったりして、岐阜の楽しみを見つけています。

ご主人

こちらに来てすぐに、観光列車「ながら」のお弁当を作る仕事があって、いきなり忙しく、夏はほとんど休めませんでした。いつも予約でいっぱいで…でも、お客様が楽しそうに列車に乗っているのを見て、こちらも嬉しかったです。これから少し落ち着くので、郡上八幡の散策を楽しみたいと思っています。

「生活の中で不便なことはありますか?」

奥様

まったく不便はありません。薬局も近いし、歩いてスーパーにも行けるし。これまでは、買い物というと車で行っていたので、歩いて買い物に行く暮らしがサザエさんのようだ、と楽しんでます。途中で人に会うのが、また楽しいです。

「移住にあたっての心配事はなんでしたか?」

奥様

何度も来ていたので、移住にあたって不安はありませんでした。でも、家探しが心配でしたね。団地やマンションも探しましたが、どうせなら郡上八幡らしい町家の方に住んでみたいと。広いし、家賃も変わらないですし。主人は職場に慣れるか不安に思っていたのではないでしょうか。お金は福井にいたときより使わなくなりましたね。外食しても安いですし。でも、地域でお金はまわしていかなければ!と思っています。

「これから移住を考えている方へのメッセージをお願いします。」

奥様

住みたいと思うから移住するのだと思いますが、「遊びに来る」と「住む」は理由が違うと思います。自分は理想郷に来た、ガンダーラや天竺に来たように思っています。でも、住んだらなにもかもイチからスタートですよね。友達も、方言も、近所付き合いも、仕事も。私は大阪から福井に行ったときに、一度それをやって出来たので、今回も出来ると思って来ました。でも、スタートするのを挑戦できる人でないと、しんどいかもしれません。主人は理想の仕事場があって、やりたい仕事を私もありがたいご縁で出来ています。自分なりに楽しめる人でないと、移住は大変。こだわりを強く持ちすぎるとなじめないと思うんです。ある程度、柔軟性をもっていくといいと思います。